いつも医療法人ロコメディカル江口病院をご利用いただき誠にありがとうございます。
ようやく秋らしく朝夕に少しずつ涼しさを感じる季節となりました。今月からはインフルエンザワクチンのご用意も整っております。
― 謙虚にして驕らず ―
医療の現場、特に「病院」では、さまざまな職種が互いに支え合いながら医療や介護のご提供をさせていただいています。どの職種や仕事にも代わりはなく、誰かの働きが他の誰かの支えとなり「医療法人 ロコメディカル」を形づくっています。わたくしどもの行動規範である「ロコメディカルフィロソフィ」では、そのことは「一人ひとりがロコメディカル」として明示され、職員のオレンジ色のストラップの裏側にもプリントされています。
先日、客員教授を務めさせていただいている奈良県立医科大学での講義と会議のために奈良県を訪れました。奈良県はわたくしの母方の先祖も奈良を発祥としており、ご縁がある土地です。奈良にはたくさんの伝統ある神社や仏閣があり、そこの売店や本屋さん、図書館にも関連する書籍を手に取ることができます。ある本に仏教には「慢(まん)」という心のありようが説かれていました。善いことをした後ほど、知らず知らずに「自分が上だ」と思ってしまう心――これを「功徳慢(くどくまん)」と呼び、戒めとしています。
紀元前4〜3年に編纂されたとされ、最も古いお経の一つであると言われる『法句経』(ダンマパダ)には「善をなして驕るなかれ。己を高しと見るは、再び悪を招く」とあります。どれほど立派な働きも、謙虚さを失えば、その光は曇ってしまうと書かれているそうです。
4世紀ごろにまとめらたとされる大乗仏教の仏典のひとつである『華厳経』には「一切の功徳は衆生の恩に依る」とも説かれます。私たち、生きとし生けるものは一人で生きていくことはできず、全ての行いは、常に誰かの支えの上で成り立っている。だから感謝と敬意をもって他者と関わることで、私たちの仕事はより温かく、より確かなものになると説かれています。
「謙虚にして驕らず」。それは単に慎ましい姿勢ではなく、医療や介護に携わる全てのものが忘れてはならない心の基礎です。わたくしどもは、日々の忙しさの中にも一呼吸おいて、互いを思いやる穏やかな心と自分の周囲の全てに感謝の気持ちを持って、ロコメディカルらしい医療と介護のご提供をめざし、日々、努力精進して参ります。今後とも医療法人ロコメディカル江口病院を宜しくお願い申し上げます。